坂井秀至八段が棋士から医師に転向されるとのこと。
私、中学高校と囲碁部におり、全然強くないものの一応有段者です。いまは対局こそしないもののNHK杯囲碁トーナメントは今でもたまに見ます。
タイトルにたどり着くこともなく引退する棋士も多いなか、タイトル獲得経験が1つでもあるのは十分凄いことです。しかもこの方は京大医学部のご卒業。しかし勝負師として気力体力集中力を維持し最前線で成績を出し続けるのは並大抵のことではありません。それでも勝たなきゃ意味がない世界。最近はネットの力で10代の若手がものすごい勢いで強くなってプロ入りしてくる時代です。
プロ棋士の収入はトーナメントの賞金で稼ぎまくれるのはごくごく一部。井山さんがケタ違いすぎるだけです。それに比べれば確かに勤務医で平均年収程度でも稼げれば安定的な生活になり得ます。
とはいえ、坂井八段が勤務医として平均年収を稼げるようになるまでの道のりもまた平坦ではありません。京大医学部という難関に入学された頭脳をお持ちですからご自身も勿論理解と覚悟の上でしょう。
卒後18年たっていて、医師国試レベルでも現代医学は知識の質と量が全く違います。当時と今とで国試対策の定番year noteを比較すれば明らかです。まずそれをやり直し。記憶力についてはプロ棋士だからさすがに大丈夫かもしれません。初期研修をしてないとなれば二年間はそれこそ年収数百万レベルでの生活。大学病院なんかを選んだらもっと低い。しかもスーパーローテイトが必須で各科を回らねばなりません。初期研修の間はさすがに当直も月何回もしなくてはいけません。年齢は免除要件になりません。後期研修医レベルの先輩は勿論はるかに年下。
現代は専門医をとるまでの期間も長く初期研修後にする後期研修医3ー4年。それが終わるときはもう50歳。それから何科にするかです。体力的にも外科や産婦人科、手技を売りにする科は厳しいでしょう。内科のうち、手技を売りにしない頭脳勝負な科とか、皮膚科(小手術はありますが)、精神科などはありかもしれません。
別の記事によると勤務医にとありましたからこれらの科でもちゃんとやれば1500万は55歳くらいには狙えると思います。臨床医の就職先というのは一般人が考えるよりかなり豊富で、場合によっては健診メインのクリニックとか老健施設長、脱毛クリニックとかもあります。製薬企業や産業医など企業に務める手もあります。研修さえ乗り切れれば年齢体力と相談しながら就職先を決められます。定期非常勤のかけもちといういわゆるフリーランス医でもいいわけです。
坂井八段には医師免許という資格がすごい保険になりました。終身雇用が崩壊した現代ではいくつものスキルを持っておくことは強みです。しかも坂井八段は、専門医までとれれば医師としてのバイトの他、囲碁棋士としてのバイトもできます。指導碁なんて希望者が殺到しそうです。
個人的にはYouTuberになることもオススメしたいです。すでに顔と名前は十分売れています。オリラジの中田さんのように芸能界から干されてもYouTuberで芸人としての稼ぎをはるかに超えたように、プロ棋士YouTuberをやればいいのです。うまくやれば勤務医の年収なんて軽く超えて勤務医なんてやらなくてすむようにもなり得るし、権利収入ビジネスは老後や介護状態になった時などの最強の備えになります。今後このブログでも少しずつふれますが、現代の医師を取り巻く環境は理不尽が多すぎて必ずしもオイシイとばかりは言えない状況です。
いくつになっても再チャレンジできるのはよいことです。46歳から医師を目指してはいけないなんてことはありません。海外にはそういう人は沢山います。坂井八段の挑戦を応援したいと思います。
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